よもや話 大学病院の話

大学病院を直撃したコロナウィルスの流行(3)

コロナウィルスが大学病院の機能を直撃!

前回、前前回のお話(大学病院を直撃したコロナウィルスの流行(1))の続きです。

 

コロナ対応チーム発足!

いよいよ、近隣の病院では発熱患者さんの対応が難しくなってきたため、医療スタッフの数、設備が豊富な大学病院での対応がはじまりました。近隣の病院と同様に、大学病院病院にとっても、最も困るのは院内感染・院内クラスターの発生です。職員が感染すれば一気に入院・外来の患者さんにも感染し、世の中にも感染が広がっていくことになります。

また院内感染が起こると、病院が機能しなくなり、医療崩壊の引き金を引いてしまうことになりかねません。そこで、コロナウィルスに対応する医療スタッフを専属ににして、他の患者さんと接触しないコロナウィルス対応チームを結成ことになりました。いったい誰がチームに招集されたかというと・・・

 

 

病院長命令で、肺炎に詳しい呼吸器内科+感染症内科+有志の先生の混合診療チームとなることが決まりました。すなわち、呼吸器内科と感染症内科の先生は半強制的にチームへの配属が決定しました。(他の科の先生は希望すれば参加できますが、あまり希望者は・・・)

 

大学病院の機能が低下(涙)

コロナウィルス対応チームが、「コロナ感染が少しでも疑われる患者さんの検査・診療」、「発熱患者さんの救急車の受け入れ」を全て引き受けてくれることになりました(本当に大変な診療で、同じ病院にいても本当に頭が下がります)。しかし実際は、本当にコロナに感染している人は少数なので、コロナ感染で無かった患者さんをどうするかが問題になりました。

 

チームが頑張っている以上、その他の診療科ももちろん一生懸命やらなければいけません。そこで病院全体として、各診療科は自分達の専門の病気でなくても、コロナウィルス対応チームからの依頼があった時には入院させて診療をするという強力なバックアップを行う方針となりました。

 

 

いよいよ病院全体が一致団結して診療を頑張る体制ができました!。その結果・・・・

 

 

コロナの流行前には大学病院に入院していないような病気の患者さんが病棟にあふれる様になってしまい、いよいよ大学病院としての機能を縮小せざるを得なくなってしまいました(涙)。

具体的には、難病の可能性がある患者さんの検査入院を行ったり、近隣の病院では対応できない状難しい態の患者さんの治療を行ったり、大学病院でしかできないような難しい手術をしたり、など、大学病院ならではの診療を行うことが非常に難しくなり、検査・治療を急ぐ患者さん以外は入院制限がかかりました。

とにかく入院のベッドが無くなってしまい、コロナ感染の患者さんも確実に増え、隔離室も増やさなければならず、いよいよ病棟のベッド・集中治療室・感染制御の部屋などを再編しなければならず、コロナの影響が病院全体に波及していきます

長くなってきたので、次回に続きます!

 

 

今回のまとめ

①いよいよコロナ対応専門チームが結成された

②各診療科によるコロナチームの強力なバックアップ体制もできた

③その結果、大学病院としての機能が低下してしまった

 

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