よもや話 大学病院の話

大学病院を直撃したコロナウィルスの流行(1)

 

コロナウィルスが大学病院の機能を直撃!

非常事態宣言が解除され、少しずつ社会が正常化しつつありますね。先日、コロナウィルスが医学生の教育に大きく影響していることをお話しましたが(見ていない方はこちら:コロナウィルスの流行で医学生は大打撃!(1))、実は大学病院でも国・自治体の要請を受けて劇的に診療体制をコロナ対策用にシフトしていきました。非常事態宣言の解除とともに、いよいよ大学の診療も元通りに戻す動きが出てきて、落ち着きを取り戻しつつあるので、てんやわんやだったコロナウィルスによる大学病院への影響について、ご紹介したいと思います(最近は若干感染者が増えてきて、第二波の到来がささやかれてきて心配ですが・・・)

 

コロナの診療体制は?

流行が始まった当初は、毎日のように病院長や感染対策部からのメールが飛び交い、朝令暮改のごとく日々システムが変わってしまい大混乱に陥りました。なぜなら、大学病院ではあまり感染症を診る事はないので、体制がまったく無いに等しかったんですね^^;

結局、自治体とも話し合いを重ねて、コロナウィルスの患者さんの診療は自治体の要請に基づいて行うという国・自治体の指針どおり行われることになりました。すなわち、保健所が、PCR検査の結果・症状などから判断して、必要に応じて大学病院・その他の医療機関に診療を依頼する、という形となりました。すなわち、大学病院にかかりつけであろうと、むりやり大学病院に突撃してきたとしても、コロナ関係の検査・診療は行うことができませんでした。

 

そう言えば、どっかの地方の病院に患者さんが突然病院に押しかけて、「コロナの検査しろや!」と言ったら、脅迫ということで逮捕されたニュースがありましたね(笑)。大学病院にも時折、押しかけてくる人もいましたが、検査をやらないというより、検査能力的な問題もあって検査ができなかったんです。なので、いくら脅されてもできなかったのではないかと思います(笑)

 

 

診療方針の矛盾

流行が始まった当初は、マスコミが連日報道していた通り、いろいろと混乱が起こっていました。特に、発熱した患者さんがコロナを心配して受診したいと相談の電話をかけてきたり、直接来院されたりするんですが、上記の通り、自治体の要請が無ければ診療ができない(そもそも検査可能な体制そのものが無い)ので、取り決めどおり自治体・保健所の相談電話に連絡してくださいとご案内するしかできなかったんです。

もちろん患者さんは言われたとおりに保健所・区・都・県の相談電話番号に電話をかけるんですが、まったくもって繋がらない!

 

この頃は、「病院に行っても相談電話に電話してください」と言われ、電話をすると繋がらない、という大きな矛盾が生じていて、発熱した患者さんはかなり苦労した人が多かったんではないかなと思います。

しかも、コロナのPCR検査ができなかったという事情もあり、発熱するとどこの医療機関も診てくれなくなってしまうという事態になっていきます。病院も院内感染が起こったら、医療崩壊の引き金を引いてしまうかもしれませんし、経営的にも大変なことになりますからね。。

 

そこで、いよいよお医者さんや看護師さん、その他医療スタッフが豊富で、建物も大きい大学病院の出番がやってくる事になります! (次回に続きます!)

 

 

 

今回のまとめ

①コロナウィルスの流行で大学病院も劇的な影響を受けた

②診療は自治体にお願いされた患者さんを診療するスタイルだった

③自治体に電話相談したくても繋がらず、発熱した患者さんはとても困っていた

 

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