よもや話 大学病院の話

大学病院を直撃したコロナウィルスの流行(2)

コロナウィルスが大学病院の機能を直撃!

発熱した患者さんが、自治体の電話に相談しようとしてもなかなか繋がらず、こまった状況になってきたという、前回のお話(大学病院を直撃したコロナウィルスの流行(1))の続きです。

 

発熱患者がたらいまわし!?

コロナウィルスが非常に感染しやすいという特徴以外に、どうやって感染するのか、感染したら死んでしまうのか、などの特徴の全体像がまだまだ分からなかった当初、発熱した多くの患者さんがコロナを心配しました。さらに、テレビをつけると”コロナウィルスはこんなに恐ろしい” というテレビ番組ばかりやっていて、余計に心配になるという悪循環になり、病院への問い合わせが多かった気がします。

 

 

しかし、前回の記事の通り、病院では発熱している人を受け入れることが難しくなっていたので、いよいよ大学病院で発熱患者さんを全て受け入れる方針となりました。

 

さらに、119番の救急要請で救急車が患者さんのもとに駆けつけてどこかの病院に搬送しようとする際に、コロナウィルス感染が疑われようと疑われまいと、ちょっとでも発熱していたら受け入れてくれる病院がほとんど無いという事態になっているようでした。

 

このような社会情勢に貢献するため、なんと、救急隊から大学病院に受け入れ要請があった場合、全ての救急車を受け入れるという方針に大転換されました。(普段はかかりつけの患者さん以外は、お断りしましょうという方針なんですが・・・、。医療スタッフは多くの人が驚いたのではないかと思います)

 

 

救急隊が発熱患者さんの搬送で困った話

実際に、僕が休日に日当直をしていた際、「腰痛が悪化して立てなくなった」という主訴で救急要請があり、救急隊が駆けつけて熱を測ったらたまたま38度弱の発熱があったため、受け入れてくれる病院がなく、救急隊が困り果てて受け入れ要請の電話をかけてきたことがありました。

 

救急隊「かかりつけでもなんでもないんですが、発熱しているだけで、近隣の病院は全て断られてしまいました。大学病院さんに断られると、搬送に1時間かかる病院にお願いの電話をかけなければいけません。無理を重々承知していますが、なんとか受け入れてもらえないでしょうか。」

 

こんな感じで、すがるような受け入れ要請だったので、内科的な疾患でもなさそうで、かかりつけでも何でも無かったんですが、受け入れて検査治療を行いました。

こんな感じで、発熱患者を全て受け入れ、救急隊も全て受け入れるとなると、診療体制を考えていかなければならず、いよいよこの辺りから本格的な体制が作られていく事になりました。

長くなってきましたので、続きはまた次回!

 

 

 

今回のまとめ

①発熱した患者さんは行き場がなくなってしまった

②発熱患者さんを大学病院で受け入れる方針となった

③救急車も全て受け入れる方針となった

 

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