医学博士のあれこれ
博士号、特に医学博士についてのお話です。今回も前回に引き続き、お医者さんが何故学位を医学博士を取得するのか、見ていきます。(見てない方は前回の記事をこちらからどうぞ;医学博士ってすごいの??(博士号のあれこれ)(1))
お医者さんが「医学博士」を取得する理由
② かっこいいから
前回は①「医局の方針」という理由でしたが、同じくらい多かった意見は、「かっこいいから」でした。名刺の端っこに「医学博士」と書かれていると、ちょっとだけ気分がいいんだそうです。同業者や、医学博士ではない博士号取得者(すなわち、「理学博士」や「農学博士」など)は、「医学博士」になることは決して難しいことではないことを良く知っているので、名刺だけみて驚くことはほとんどありません。
ほんとうに、見栄っ張りの見栄な感じです(笑)。みなさんも見栄に誤魔化されないようにしましょう!
ちなみに、結婚するときに、相手方のご両親のご挨拶に行くときは、信頼度アップに効果絶大だそうです(笑)
③ 勉強のため
この辺りから、少し真面目な理由になってきます^^。やはり高度な教育機関であるので、勉強したい人にはしっかりと勉強できる環境が整っているところも多く、本当に勉強をする為に入学する先生も存在します。たとえば、自分の専門とする病気を遺伝子レベル、細胞レベルで理解したいとか、何とか治療薬の開発にチャレンジしたいなど、純粋に勉強して医学の知識を深めたいという立派な考えの先生たちです。
このような先生方は、大学院で一生懸命研究をして成果がしっかり出ると、その後は大学の教員として、医学部の教育に従事したり、そのまま研究者になったりします。医学部の教員といってもお、医者さんでもあり、大学病院で働きながらになることが多いんですが・・・(医学部の教員の制度について興味のある方はこちら;大学病院の人事①(人事の仕組み編))
④ 役職に付くため
もう一つ良くあるのは、仕事上に博士号が必要となる場合です。たとえば、比較的大きめな病院で働いていると、幸運にも診療部長に推薦されることがあります。診療部長になりたくても、そのような役職には「医学博士」であることが条件であることも多いんです。
僕が大学院に入学したとき、入学者名簿を見ると、なんと、僕が研修医だった頃に厳しくご指導いただいた年配の先生のお名前がありました。(50歳弱だったと思います)。そんな年とって大学院に入学しなくても・・・と思ったんですが、どうやら部長のオファーが来て(しかも部長になりたいわけでもなかったのに、他になれる人がいないのでしょうがなかったそうです)、どうしても博士号が必要になったんだそうです。。
実際は、自分で実験することも無く、適当に短い論文を書いて、すぐに部長になって出て行きました・・・
もう一つ重要なのは、仕事相手が「博士」であった場合、こちらもカウンターパートとして博士であることが求められます(特に海外)。最近は製薬会社ともビジネスの話をする機会が多く、その相手が博士であることも少なくなくなりました。そんな時に、知識の有無に係わらず、商談相手としてはこちらも博士でなければいけないんです。
というわけで、意外にも最近は仕事上で「博士」であることが求められる場面も多くなってきました。これは、医学の世界にとどまらず、どの世界でも同様の傾向が見られるようです。もし将来的に海外で活躍したいと考えている方、ぜひ大学院に行ってみてはどうでしょうか。。修士までであれば少なくともマイナスになることは無いと思います^^
長くなってきたので、次回に続きます。。。
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