医学部と格差社会
前回に引き続き、格差と医学部のお話です。今回は公立高校出身の医学生についてのお話です。(前回までのお話はこちら:医学部と格差社会(1)(医学部入学と中高一貫の進学校))
(最近は非常に病院が忙しくなってしまっていて、毎日更新で傷にすみません。それでもリピートしてサイトに来てくれる方が多いようです。きてくれている方々、どうもありがとうございます)
公立高校出身の医学生
これまで医学部に入学してくる学生のほとんどが、中高一貫の私立進学校の出身であり、医学部に入学するまでに多額の教育費を投入されているというお話をしてきました。それでは、公立高校出身の入学生が珍しいかというと、珍しくはありますが、そこまで劇レアというほどではありません。
概ね、毎年10%程度は公立高校から進学してきている印象です
では、公立高校出身の医学生出来はどうかといいますと・・・
ほとんどの学生が非常に優秀です。
しかも、世間離れしていないその価値観もあってか、大学を卒業して医師として働き始めたあとも患者さんからの評判が良いことが多い気がします。では、私立高校出身と公立高校出身では何が違うのでしょうか?実際にもう少し詳しく見ていきましょう。。。
公立高校出身と私立高校出身の医学生の違い
公立高校出身の医学生は、大切に育てられてきた雰囲気があまり感じられず、どこにでもいそうな若者が多いです。一方、私立出身の医学生は、多くの学生が大切に育てられてきたような雰囲気を持っていて、若干普通の人とは違う感じがします。
また、私立高校出身の医学生は自己顕示欲や競争意識が強い学生が多いのに対して、公立高校出身の医学生はあまりそういうことは見受けられません。また、医学部までくると頭の良さは優劣がつきづらく、出身高校に係わらず、与えられた課題などは皆そつなくこなすので、頭の良し悪しは私立公立出身には関係がないと思います。
公立高校出身者の優れているところ
雰囲気は多少違ったり、頭の良し悪しなんかは殆ど変わらないと思うんですが、ただ一点、個人的に公立高校出身者が優れているところがあると考えています。
それは、「自分で考える力」です。
私立出身の学生は非常に素直で、教えられた通りに勉強したり、進められたとおりに進路を進んでいく学生が多いような気がします。一方で、公立高校出身の学生は教えられなくても自分で勉強し、進路についても自分で考えて、積極的に大学の外に飛び出して活躍している学生が多いんです。
非常に面白いことがあったんですが、医学部内のある講義で、誰が聞いても良くわからないような酷い講義があり(講師の先生が酷い先生だったんです)、その講義をした先生が、なんと非常に難しい試験を作ったんです。
その結果何が起こったかというと、真面目に講義を聞いていた学生の殆どが試験に落ちてしまい、日頃からあまり講義を聴かないで自分で勉強を進めている学生(もちろん多くは公立出身)は殆どその試験をパスしたんです。真面目に講義を聞いてた学生が酷い目にあったという、歴史に残る試験だったんですが(笑)。
頭のよさがあまり変わらなくなってくると、このあたりの力で差がついてくると思うんですが、その話はまた次回!
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