大学病院に受診することが良いとは限らない?
最近は大きな病院の方が安心感があるせいか、大きな病院へ受診しようという風潮があります。一方、大きな病院は難しい病気や患者さんを診る制度設計になっていますので、軽症から重症までの全ての患者さんが大きな病院に殺到すると大変なことになります。そこで、この風潮に対して、厚生労働省は大きな病院に受診する為には「紹介状」を必要とする制度を作ったり、大きな病院の初診料を値上げしたりと、制度の維持にがんばっています。
実際、患者さんにとって大きな病院に受診すると不幸なことも多々ありますし、大きな病院、さらには大学病院に受診したほうが良いこともあります。そこで、今回は大学病院の良いところ・悪いところについて、お話させていただきます。
大学病院の悪いところ
①待ち時間が長い
早速ですが、大学病院の悪いところから見ていきましょう。一般的にも良く知られていますが、大学病院の最も大きな問題点は、待ち時間が長いことです。予約の外来だったとしても平均すると1-2時間くらいは待つ覚悟が必要です。症状が軽かったり、難しい病気でない場合には、これだけの待ち時間が無駄になってしまいますし、新たな病気に感染するリスクも・・・。従って、症状によっては近くのクリニックの方が安上がりで待ち時間も少ないので良いケースも少なくありません。
②主治医の交代が頻回にある
これは大学病院に通院している方は良く知っているますが、そうでなければあまり知らない患者さんも多いかもしれません。大学病院は若手の勉強の場であったり、他の病院へお医者さんを派遣したり、いろいろなことで人事が激しく動きます。従って、1年ごとに先生が交代となっている外来も少なくありません。時々、「何でこんなに頻繁に主治医が代わるんだ!」とご立腹の方もいらっしゃいます。実際に、この頻回な主治医の交代は患者さんにとっては大きなデメリットで、患者さんの状態が十分に把握できなくなってきてしまいます。
ちなみに、大学病院で定年退職まで身分が保証されているのは主任教授だけです。(大学病院の人事について詳しく知りたい方はこちら:大学病院の人事について①)。准教授の先生であっても、若手の先生であっても、突然いなくなることもあるんです!
従って、この点においても、近くの良い先生がやっているクリニックをかかりつけにして、何かあった場合には大学病院へ行くようなスタイルが良いのかもしれません。
長くなってきたので、また次回に続きます!
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