現場から見た最近のコロナ事情
最近は毎日のように、「今日の感染者は〇〇人」と速報され、いろんな学者がテレビに出てきていろんな事を言っていますが、実際のかなり適当である事も少なくありません。今回のシリーズは、情報が錯綜している中で、現場から実際の情報をお届けしています。
今回も前回に引き続いて進捗している治療法の最前線について、こっそりとお伝えします☆ (前回までの記事を見ていない方はこちら:最前線からみた最近のコロナ事情(1)(2020年8月初旬))
コロナウィルス感染症の治療の進歩
重症化した患者さんを治す治療薬(2)
前回に引き続いて、重症化して死んでしまいそうな患者さんの治療薬についてです。前回は過剰な免疫反応を抑える治療について説明しましたが、重症化すると脳梗塞や心筋梗塞、肺梗塞(いわゆるエコノミークラス症候群)が高率に発症し、生命の危機に瀕することが分かってきました。
ちなみに、「〇〇梗塞」というのは、血管の中に血の固まりができて、血の固まりが血管につまってしまう病気です。心臓の血管に詰まれば「心筋梗塞」と呼ばれますし、脳の血管に詰まると「脳梗塞」と呼ばれます。実は「〇〇梗塞」と呼ばれる病気は、血管が詰まる病気なんです。
コロナウィルスが重症化すると、体の中で血の塊ができやすくなり、血の塊が血流にのってどこかに詰まり、先に挙げた重篤な合併症を引き起こすことも明らかになってきました。そして体内に血の塊が出来やすくなる病気は、もちろん珍しくは無く(免疫の過剰を抑えるのと同じく、よく遭遇します)、原因さえ分かってしまえばいくらでも治療ができます。
実際に、コロナウィルスに感染・重症化した患者さんで、脳梗塞や心筋梗塞、肺梗塞などの命に係わる合併症を予防する為に血液をサラサラにする従来の薬の投与を開始したところ、このような合併症は激減し、救命率・後遺症も激減しています。
このように、コロナウィルスの感染による病気の正体さえ分かってしまえば、病気を抑えこむ治療薬はたくさんあるんです。
治療法の進歩のまとめ
今回は、重症化を予防する治療法と重症化した後の治療法についてお話してきました。重症化を予防する治療法については、既存の内服薬の効果を調べる治験が着実に進行し、また重要な鍵となるワクチン開発も激しい開発競争が起こり、優れたワクチンの市場への供給が視野に入ってきています。
さらに、重症化した後の治療法は、今回代表的なものを挙げましたが、病気の原因が明らかになり治療法が確立しつつあります。それに伴って、救命率が格段に上昇しています。細菌は感染者数の増加ばかり報道されますが、重症化した患者さんの数、残念ながら亡くなってしまった患者さんの数を良くみて見ると、あまり増えていません。(良い点についてマスコミはあまり報道しません・・・)
このように、治療法がどんどん進歩してウィルスがコントロールできるようになっています。テレビを見ていると不安感ばかり増してきますが、実際は報道があまりされていない医療の進歩があることも知っていただけると幸いです。
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