クリニックで宣伝されているコロナウィルス検査(自費診療)について
前回はコロナの影響でクリニックの経営も厳しい状況に陥っていることについてお話しましたが、コロナの影響でかなりの収益を上げているクリニックもあります。それは、コロナに係わる検査を高額な費用で行っているクリニックです。
今回は、どんな検査なのか、どのような意味合いがあるのかについて、考えていきたいと思います。
コロナの検査と費用
クリニックで行われている検査は主に、コロナウィルスのPCR検査と抗体検査です。
PCR検査とは、唾液もしくは血液を採取して、その中にウィルスの遺伝子があるかどうかを調べます。もし、唾液・血液の中にウィルスの遺伝子が検出されたら、ウィルスが体の中に存在することを意味します。
抗体検査とは、血液中に「抗体」という免疫物質があるかどうかを調べる検査です。大雑把に言うと、抗体にはいろいろなタイプがあり、実際に患者さんで調べられる抗体はIgGとIgMです。
IgMはウィルスに感染後すぐに出現し、2週間程度で消えていきます。一方、IgGはウィルス感染後2週間程度で出現し始めて、その後も存在し続けます(消えてしまうものもあります)。コロナウィルスの抗体検査では、IgGが調べられているようです(その辺は明記されていないことも多くありました。)
検査の費用は、PCR検査が2~5万円くらい、抗体検査が5千円~1万円くらいです。
健康保険を使わない自費での検査となるので、ちょっと高いですね・・・^^;。。さらに証明書の発行で数千円を徴収される事もあるようです。
PCR検査は、研究を行っている人は良くわかると思いますが、この価格でやるとぼろ儲けな気がするのは僕だけでしょうか(笑)
ちなみに、クリニックではあまりやっていませんが、抗原検査といって、ウィルスそのものの存在を確かめる事ができる検査も広がってきています。
クリニックに多額のお金を払って検査を受ける価値があるのか?
上記の通り、クリニックでの検査には多額のお金がかかります。そんな多額のお金を払ってまで検査してもらう価値があるのかどうか、ちょっと詳しく考えてみたいと思います。
①PCR検査の意味と価値
PCR検査は先ほども話しましたが、検査する時点でコロナウィルスが体内に存在するのかどうかを調べます。ただ、発熱をしていたり感染者との濃厚接触が疑われる人は、クリニックに検査しに来て欲しくないお客さんで、コロナウィルスに感染してるのにクリニックに来院してウィルス感染を拡大されては困ります。。
実際に、PCRをやってるクリニックで
「発熱している人は検査しません」
と注意書きがありますし(笑)
おそらくクリニックに検査をしに行く人たちは、証明書の提示を求められる環境にあったり、感染が心配という理由が主で受診されるようです。
こんな現状を踏まえてまず言えることは、少しでも症状があったり、濃厚接触の可能性がある人にとっては、国が委託している医療機関や保健所等で、保険診療で(すなわち、とてもお安く)検査をしてくれるので、クリニックに多額のお金を払って検査をしてもらう意味は殆どないということです。
それではどんな人に意味があるのか、いよいよ検査の本質についてのお話に移っていきます。(次回に続きます)
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