コロナ流行中の外来診療 大学病院の話

医療の最前線からみた最近のコロナ事情(2)(2020年8月初旬)

 

現場から見た最近のコロナ事情

最近は毎日のように、「今日の感染者は〇〇人」と速報され、その度に「PCR検査で全員検査だ!」とか「緊急事態宣言だー」など、いろんな学者がテレビに出てきていろんな事を言っていますが、かなり適当である事も少なくありません。

 

前回は実際に大学病院で患者さんが増加しているのかについて説明しましたが、今回は引き続いて実際に進捗している治療法の最前線について、こっそりとお伝えします☆

 

コロナウィルス感染症の治療の進歩

 

治療法を考える上で、早期の治療と重症化した際の治療を区別して考えていくと分かりやすいと思いますので、ここでは分けて考えていきたいと思います。

 

重症化を予防する薬は開発途上

コロナウィルス流行が始まったばかりの頃、インフルエンザに効くとされる「アビガン」が注目を浴びて重症化している患者さんにはほぼ全員に投与されるほどになっていました。また、アメリカで早期に承認されたレムデシビルも市場に供給する事を優先し、科学的根拠が無いわけではありませんが、従来と比べると見切り発車に近い承認となりました。

 

これらの薬は残念ながら重症化した患者さんにとって十分な効果を発揮するほどではない事が分かってきています。アビガンはあんなに注目されたのに、最近は臨床治験で効果が無いのでは・・・とマスコミでささやかれる(いや、叩かれているような気も・・・)ようになりました。

 

おそらくこの短期間の治験では効果を実証する事が非常に難しいと思うのですが、少なくとも重症化した患者さんを劇的に改善させることは難しそうです。やはり、重症化を抑えるにはワクチン開発が鍵となりそうですが、皆さんの想像を超えるものすごいスピードで開発競争が進んでいます。当初は「ワクチン開発が可能なのか」と言われていましたが、現在は「どこが一番に製造できるか」に注目が集まっています。

 

 

 

 

重症化して死亡する原因が見えてきた!

現在の最も研究が進んだ点はここで、最前線で働いていらっしゃる先生方の努力によって、重症化して死んでしまう原因が少しずつ明らかになってきました。その最も重要な原因は、

 

 

「免疫の過剰な反応」です。

 

 

誰しもウィルスや細菌に感染すると、免疫細胞を活性化する為の様々な化学物質が体内に放出されます。この物質をサイトカインといいますが、コロナウィルスに感染すると、このサイトカインが過剰に放出されで免疫反応が過剰となり肺が破壊されていく事がわかってきました。

 

 

なんと、ウィルスが肺を壊すわけではなく、ウィルスにより過剰に活性化した免疫により肺が壊されていたんです。

 

 

 

重症化を治す治療薬

過剰に免疫が活性化する病気はこれまでもたくさんあり、まったく珍しくはありません。従ってこの病気の正体さえ分かってしまえば、免疫反応を抑えこむ治療薬はすでにたくさんあります。特に、ステロイドが著効するので、先日新たに「デキサメサゾン」というステロイドの点滴が承認されました。

 

これはあまり報道されていませんが、この「デキサメサゾン」は新しい薬ではなく、昔からずーっと使われている安い薬です

 

このように、この重症化して死んでしまう原因の正体が明らかにされ、それに対応できるようになってきたことで、格段に救命率が格段に上昇しています。

 

さらに、致命的な合併症の予防治療も見えてきました。。

(次回に続きます)

 

 

 

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