大学病院の話

これは大変! 大学病院の無給医の話(1)

 

大学病院の無給医(お給料の無いお医者さん)

あまり知られていないかもしれませんが、実は大学病院には病院からお給料の出ていない先生がけっこうたくさん存在しています。お給料がなくて大丈夫かと思われる方も多いと思いますが、アルバイトで頑張って生活費を稼いでいるので、何とかなっています。時々、この貧しい生活や不条理な勤務体系がマスコミに取り上げられることもありますが、大学病院のために働いてくれる貴重な存在でもあります。今回は、そんなお給料のないお医者さんの実情を見て行きましょう!

 

なぜ無給医が存在するのか?

大学病院は偉い先生が集まっているというイメージがありますが、必ずしもそういうわけではありません。若手の勉強の場所でもあり、研究機関でもあるので、勉強中の若い先生も多いですし、医師としては今一つでも、研究の世界では世界的に有名な先生もいます。従って、必ずしも有名・高名な先生達が集まっているわけではありません。しかし、大学病院ならではの大きな特徴があります。それは・・・

 

 

 

お医者さんの数がとても多い!

 

 

そして、お医者さんの数が多い事によって、大学病院のしっかりとしたな診療機能を支えています。(大学病院の特徴をもっとよく知りたい方はこちら:大学病院の良いところ・悪いところ④

お医者さんを正規職員として一人雇用するのに、どんなに安くても年収で300万円くらいは支払わないといけません。(お給料事情をもっとよく知りたい方はこちら:大学病院のお給料事情(1)

しかし、ただでさえ赤字体質で大変な大学病院で、お医者さんを正規雇用して一人一人にこんな大金を支払うと、間違いなく病院は破産します。すなわち、大学病院を支えるには多額の予算が必要なのに、残念ながら全員にお給料を支払えるだけの予算がないんです。かといって、お医者さんの人数を減らすことはできないので、外の病院にアルバイトに行ってお給料を貰ってきて大学病院で働いてもらう先生が必要なんです。。

 

無給医はどれくらい存在するのか

もちろん、全員にお給料が出ないわけではなく、教授、准教授など役職のある先生にはきっちりとお給料が支払われていますし、むしろ薄給ながらお給料を貰っている先生の方が遥かに多いです。それでは、お給料を貰っていない先生はどれくらいいるんでしょうか。。ちょうど先日、文部科学省が調査を行いこのブラックボックスを開きました。

 

大学附属の108施設、約32000人に調査した結果、59の病院に無給医が存在し、無給の先生は2819人だった、という結果でした。

 

なんと、大学病院で働く先生のうち、9人に1人がお給料を貰っていない計算になります。多いような、少ないような。。。(実態はもう少し多い印象がありますが・・・。)また、大学院生、研究員といった肩書きでお給料を貰わずに働いている先生もいて、(この辺は無給医と言い難い側面もあって難しいところですが)、これを含めるか含めないかでも少し数字が異なるのではないかとも思います。

普通の会社員は、お給料が出なければ、その会社では働かないと思います。なぜ大学病院では、お給料が出なくても働く先生がほとんどなのか、次回はその謎に迫ります!

 

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