大学病院に紹介されてくる患者さんを診ていると、大学病院ではない普通の病院を受診した方が良かったと思える患者さんも少なくありませんし、また、受診方法があまりよくなかったために、しっかりと診察ができないこともあります。
多くの皆さんはまだまだ大きな病院に行くような機会は少ないと思いますが、ご家族や友人に付き添うこともあるかもしれません。そんな時に備えて、ここで大学病院でよく診てもらうためのコツをシリーズでお伝えしています。
(前回の続きです)
前回に引き続き、重要な5つのポイントを説明していきます。本日のポイントは、最後の2つです!
・1人ではなく、家族と一緒に受診する
・症状の経過を簡潔に話せるようにしておく
④【1人ではなく、家族と一緒に受診する】
病院の受診だけではなく、重要なイベントには、複数人で行ったほうが安心感がありますよね。大きな病院を初めて受診する時も同様で、患者さんは多かれ少なかれ不安を感じていると思います。
実際に、大学病院で紹介外来を担当すると、診察室の扉を開けて入ってくる患者さんのほとんどが、顔を強ばらせています。。
そんな不安を感じている状況では、なかなか言いたいことを言えていないんじゃないかな、と感じる事も多くあります。
そんな時に、ご家族と一緒に受診することですこし不安が和らいで、言いたいことを言いやすかったり、一緒に受診しているご家族が補足してくれたり、お医者さんに伝えたい多くのことを伝えることができるようになります。
さらに、ご家族と一緒に受診する重要な利点が猛一つあります!
患者さんとご家族が一緒に受診され、皆さんで一生懸命症状を説明してくれている姿を拝見すると、
ご家族にとても大切にされていらっしゃるんだな
こちらも大切に診察していかないといけないな
不思議なことに、こちらも大切にしなければいけない気がしてくるんです。
先日も91歳と高齢の男性が家族総出で受診されました。90歳を超えてくると、「もう年だから・・・」、「検査しても治療ができないかもしれないから・・・」などと、ちょっと積極的には診療しづらいところがあ一般的にはあり、なかなか良い診療が難しいことがよくあります。
しかし、ご高齢でもお元気な方だったのと、家族の熱心さが相まって、かなりしっかりと検査を行い治療に繋がっていきました。(医療経済的にはどうなのか分かりませんが・・・)
そんなわけで、大学病院を受診する際には、お1人ではなく、ぜひご家族と一緒に受診をご検討してみると良いかもしれません
ちなみに3人~4人でも大丈夫です!!
⑤【症状の経過を簡単に話せるようにしておく】
お医者さんが一番重要な情報と考えているのは、間違いなく「中心となる症状・症状の経過」(いわゆる病歴)です。
単純な病歴であれば良いのですが、大学病院に受診される方の多くは、複雑で長く経過している病歴をお持ちです。
前の項でも触れましたが、皆さん大変緊張して受診されますので、そんな状況下では、言いたいことも言えないかもしれません。
担当の先生も重要な情報を上手に聞き出そうとしてくれると思いますが、いわゆる病歴がはっきりしないと良い診察に繋がりません。
そこで、病歴をより簡潔に、重要なポイントに絞って話せる準備をしておくとよいんです。
具体的には、「一番気になる症状」が「どのようになってきているのか」
とりあえずは、これで構わないと思います。
重要なポイントさえ伝われば、そこから話が広がりその周辺のことまで伝わりやすいのではないかとも思いますので、是非、試してみてください。
もし、それも難しい場合には、パソコン(ワード)でタイピング・プリントアウトして持っていってもよいと思います
というわけで、今回の結論は、
・家族と一緒に受診することで、診療の質が上がり、さらにしっかりと診てもらえる可能性が高まります!
・病歴はもっとも重要な情報なので、受診前に簡潔に伝えられるようまとめておきましょう!
重要な5つのポイントを駆け足で見てきましたが、如何だったでしょうか。
大きな病院にお世話になる機会はまだまだ少ないと思いますが、ご家族や友人が受診されることはちょくちょくあるかもしれません。
そのさいには是非参考にして手伝ってあげてください。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
良かったらクリックをお願いします
人気ブログランキングへ