医学部と格差社会
前回は同僚の先生達から見る、医学部進学事情について考えてみましたが、今回はお医者さんの世襲についてのお話です。(前回までのお話はこちら:医学部と格差社会(1)(医学部入学と中高一貫の進学校))
お医者さんは世襲?
前回は、医学部の先生方(特に教授・准教授)のお子さんは、実は殆ど医学部には入っていないというお話をしましたが、クラスメートや同僚の先生のご両親の職業を聞くと、最も多いのが・・・、やはり・・・
お医者さん、です。
お医者さんといっても、前回のお話で出た医学部の先生、病院で働く勤務医、クリニックを経営している開業医など様々ですが、特に、実家が開業医という先生・医学生がかなり多い気がします。最近は少し減ってきているようですが、それでもやはり開業医の先生のお子さんは医学部進学率が高いようです。
やはり、実家に潤沢な資金が・・・・
というわけではなく、おそらく身近でお医者さんとして働く父親の姿をみてその鼓も目指すようになるのではないかと思っています。
開業医の先生はちょっと儲かっているようにも思えますが、そのご子息はお金がありつつも国公立に進学しているケースが少なくありません。。(個人的にはお金があるなら私立に行けばいいのに・・・という声もありますが・・・)。
あと、大学の先生(特に教授!)はあまりに忙しいので、子供に父の働く姿を見せることができないんじゃないかなとも思います。
開業医は勤務医よりも高収入といわれていますので、開業医のご子息が医学部に入って、親のあとを継ぐというのはやはり富みの再生産と言えるかもしれませんね^^・
世襲の手伝いをする私立医大
最近の医学部受験の実情は分かりませんが、僕が受験をしていた頃は、医学部受験の願書に親の職業を書かせる私立大学が少なからず存在したり、面接でそこを聞いてくる私立大学があったり、親がそこの大学のOBだったりするだけでアドバンテージがあったり、明らかにフェアではないと思われることが多数ありました。
ただ、当時はそんなことは公然の秘密であり、お医者さんの世襲を手伝っていたように思います。(受験生もフェアな入試をする大学を受けるように細心の注意を払っていました)。
驚いたことに、つい数年前に東京医大の不正発覚をきっかけにいろいろな大学の不正が明るみにでてしまい、各大学はいよいよフェアな入試をせざるを得なくなってしまいましたので、少なくとも今後数年間の間、出来の悪い受験生は親が医者であろうとなかろうと落とされてしまうようになるので、若干世襲は減るかもしれません^^;
世襲の功罪
世襲と聞くとあまり聞こえがよくない気もしますし、受験での差別はもってのほかだと思います。医学部受験生は皆さん一生懸命勉強していますので、平等に評価されるべきだと切に思っています。
しかし、良い点も少しだけあるんです。地方で開業している先生のご子息は、医学部を卒業したら地元に帰っていく先生が圧倒的に多かったんです。地元に帰って、親のあとをついで、その地域の医療を支えるという素晴らしい世襲も少なくありませんでした。
地方の医療過疎の地域医療を継続的に支え続けるという点では、世襲というのも一つのやり方なのかもしれません。
余談ですが、実家が地方の開業医という同級生は、皆、スーパーお金持ちのような感じでした^^;。そういう点では、世襲により格差が開いているのかもしれません(爆)。
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