医学部と格差社会
最近は格差が広がっているとも言われていますが、特にお金がないと勉強の機会も与えられず、良い大学にも入れない、または就職先にも恵まれないといった状況があると言われています。今回から、医学部入学者や同僚の先生達から見る、社会の格差について考えてみようと思います。
医学部入学者の出身高校
あまり知られていないような気もしますが、医学部の入学者は、なぜか出身高校が学内名簿に掲載されることが多く、医学部の教員は新入生の出身高校がなんとなく分かります。毎年のように名簿が回ってきますが、医学部入学者の出身高校の傾向は・・・
スーパー進学校が多い!!
男子は、開成高校・麻布・筑駒など、女子は桜陰、双葉、フェリスなど、名だたる進学校が名前を連ねています。
公立高校出身者はどうかというと・・・
殆ど居ません・・・・。
ただ、全く居ないわけではなく、10人行くか行かないか位だと思いますが、存在します。また、一人くらい、大学検定というつわものも存在します。
入学者の出身校から見えてくるもの
間違いなく、最近の医学部入学生は、中学受験を経てスーパー進学校に入学し、そのまま一生懸命勉強して医学部に入学しているケースがほとんどです。はっきりいって、教育に相当なお金がかかっているとと思われます。
逆にいうと、昨今の医学部の人気から、それなりに教育にお金をかけられるご家庭でなければ、医学部に行くことが難しい世の中になっているようです。しかも、決まった進学校から入学してくる学生が多いので、出身高校別に、同窓生のグループがあったりもします。。
ただ、10%程度は公立高校(ほとんどがトップ高ですが・・・)または大検などを経てきた学生で、中高一貫の私立進学校に行かなければ医学部に入れないというわけではありません。しかも、公立高校出身の学生はすこぶる優秀で、人格も全うなことが多いような気がするので、捨てたものではありません。
お医者さんになると、少なくとも公務員のように最低限のお給料が保証されるようなものなので、飢えることはなくなりますし、悪どい事をして稼ぐことも可能です。一昔前までなら開業するだけでかなり儲かっていたようです。すなわち、親が稼いだお金で子供に教育を受けさせ、富の再生産をしているようにも見えます。
すなわち、医学部は格差社会に貢献しているといっても良いかもしれません。。しかし、必ずしも富の再生産がうまくいっていないことも多いんです。。。
(次回に続きます)
最後まで読んでいただきありがとうございました。励みになりますので、良かったらクリックをお願いします!