クリニックで宣伝されているコロナウィルス検査について
前回はクリニックで行われているPCR検査の意義について紹介してきましたが、今回はよく宣伝されているもう一つの検査、「抗体検査」についてです。
クリニックに多額のお金を払って検査を受ける価値があるのか?(抗体検査)
抗体検査は最初にお話したとおり、コロナウィルスに感染するとIgG(もしくはIgM)という抗体(免疫物質)が体内に作られ、このIgG(もしくはIgM)の有無を調べる検査です。
従って、IgG(抗体)が血液中に存在するという事は、既にコロナウィルスに感染した事があることを示唆します。
(細かい話をすると、IgMはまた別なんですが・・・、この辺の話についてはこちら;クリニックで宣伝されているコロナウィルス検査(1))
今回はクリニックで宣伝している「抗体検査」について考えていきます
①抗体検査の質・精度
現在、国内で様々な抗体検査キットが流通し、クリニックで宣伝され、販売されています。しかしながら、その検査の精度についての記載やどこのメーカーのキットを使っているのかなど、重要な情報は一切書いてないクリニックが多いように思います。
ちなみに、現在、国・厚生労働省により、確実な検査精度を有する検査薬として承認された抗体検査キットはありません。
従って、どこのクリニックであっても、売り出されている抗体検査の質・精度は良くない可能性が高いといえます。
さらに、今流通している検査キットは、日本赤十字系の準公立病院が調べたところ、擬陽性(コロナにかかったことがないのに、検査が間違って陽性となってしまう)がかなり多く、問題があることも分かっています。
抗体検査を受けて得な人・損な人
抗体検査の質・精度がはっきりしない以上、クリニックで抗体検査をしても、陰性であろうと陽性であろうと、何の意味も持たないことになります。
さらに、間違って陽性と結果が出てしまう検査って、ちょっと・・・
また、もし精度の高い抗体検査を受けることができて、検査の結果が抗体陽性であったとしても、既に感染したことがある可能性が高いと言える一方で、二度と感染しないとは全くいえません。
というわけで、抗体検査については、誰にとってもあまり得なことがある検査とは言えないようです。しっかりとした抗体検査ができて、検査の意義が示されるには、もう少し時間がかかりそうです
というわけで、本日のまとめです。
①クリニックの抗体検査は、質・精度ともに悪い可能性がある
②国・厚生労働省により質・精度が承認された検査キットはない
③精度の問題・検査の特性から、クリニックで抗体検査を受けて得する人は殆どいない
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