コロナ流行中の外来診療 大学病院の話

コロナウィルスの影響でお医者さんのお給料が減少(3)

コロナウィルスの影響でお医者さんのお給料が減少(クリニック編)

前回はコロナウィルスの流行が大学病院のお医者さんの収入に直撃していて、実は現在もその影響が続いているというお話でしたが(見てない方はこちら;コロナウィルスの影響でお医者さんのお給料が減少(1))、今回はクリニックなどの開業の先生方への影響を見ていきましょう。

 

 

クリニック・医院のお医者さんのお給料減少

外来の患者さんが激減

コロナの流行によって、クリニックを受診する患者さん数が激減し、中には閉院を決めたところもあるそうです。大学病院と違ってクリニックの正確な調査は難しく正確な調査結果はありませんが、いろいろな調査票を見てみると、

 

患者さんの数が50%以上減少したクリニックは10-20%程度、

 

患者さんの数が30%前後減少したクリニックは30%程度、

 

そして、概ね80-90%のクリニックはコロナによって患者さんの数が減少

 

となっていたようです。

 

最近はクリニックを開業する先生が多くなり、クリニックもつぶれる時代になってきていますので、30-50%も患者さんが減少すると、経営危機に陥るところもそれなりに出てくると思われます。

大学病院でも未だにコロナの流行前には戻っていないので、今後クリニックの倒産も増えてくるかもしれません。

 

 

 

 

経営危機への対応は?

知り合いのいろいろなクリニックの先生に現状をお聞きしたところ、以下のような経営判断をせざるを得ないといっていました。

 

①パートの看護師さん・事務員さんの削減
②ボーナスの減額
③診療時間の減少
④自ら他の医療機関にアルバイトに行く

 

やはり、人件費が一番大きく、申し訳ないけれども看護師さん・事務員さんの人員整理をして、従業員全員が失職する事を避けなければいけないといっていました。また、ボーナスはカットすると東京女子医大みたいに暴動?が起こるかも知れないので、経営状況を説明して少なく支給したそうです。

 

ちょっと面白かったのが③④です(笑)。なんと、クリニックを開いていてもあまりに暇な日が多いので、診療時間や診療日を少なくして、自らアルバイトの外勤や当直に行って生活費を稼ぐとも言っていました。そうする事で、クリニックの売り上げを従業員に回せるんだそうです。

 

 

発熱した患者さんの対応と経営

小さなクリニックでは、コロナのクラスター発生源となる可能性が高く、「発熱していたらお断り」というクリニックも多かったようですが、最近は少し違ってきています。クリニックでコロナのクラスターが発生したことが知れ渡ったら、一発倒産の可能性があるので、発熱お断りはやむを得ないと思いますが、最近は経営的観点から診てくれるクリニックも増えてきているようです。

 

逆に言うと、発熱患者さんを診るのもリスクですが、診なくとも倒産の危機に瀕する可能性があり、それほど苦境に追い込まれているという事なんでしょうね。というわけで、簡単にまとめると、クリニックはコロナの影響を受けて、極めて厳しい状況に追い込まれているといっても良いかもしれません。

 

世の中も不況の波が少しずつ押し寄せてきていますが、医療業界も収入が著明に減少しているところもあり、日本全国で殆どの職種で収入が減少している可能性があるんではないかと思います。今後の日本経済が心配ですね。。。

(次回は、コロナの影響で収益を上げているクリニックの話に移ります)

 

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