大学病院に受診した方が良い?
こんにちは。今回も引き続き大学病院の良いところ、特に、大学病院に整備されている特別室の是非についてのお話です。前回の記事で、大学病院の大きな特徴の一つとして特別室が充実していることをお話しました。有名人、偉い人にとっては必要不可欠なことも前回説明させていただいたとおりですが、我々一般人にとって、「普通の病室と特別室、選べるならどちらか?」について今回考えていこうと思います。(これまでのお話はこちら:大学病院の良いところ・悪いところ①)。
大学病院の良いところ(特別室っていいの?)
⑤特別室の良し悪し
前回のお話(見てない方は、まずこちら!)を聞くと、お金を持っている人は特別室がよいとお考えになるかもしれませんし、ご家族の為に少しでも良い病室を!とお考えになるご家族の方も多いかもしれません。実際に、大学病院の職員から見て、普通の病室と特別室はどちらが良いのでしょうか。。
答えは簡単です!
もちろん、普通の病室が良いに決まっています!!!
その理由も非常にシンプルで、特別室には専門性と距離的な問題があるからです。特別室は特別病棟という別のフロアもしくは別の建物にあることがほとんどで、普通の病室は〇〇外科病棟・〇〇内科病棟などと呼ばれるフロアにあります。〇〇科病棟の看護師さんは〇〇科の病気がしっかりと診れるようにトレ-ニングされ(状態が悪くなってもすぐに気づいてくれることもしばしばあります)、自分の専門性を存分に発揮しています。そしてそのフロア内に〇〇科のお医者さんの待機場所(いわゆるカルテを書いたりする部屋)があり、看護師さんとの打ち合わせ、患者さん情報の共有など頻繁に行っています。
一方、特別病棟はいろいろな病気の患者さんが入院するので、特別この病気に強いということ(いわゆる専門性)はありませんし、さらに言うと、距離的な要素もあります。純粋に、お医者さんの待機場所から近ければ、ちょくちょく様子を見に行けるんですが、別の建物に病室があろうもんなら、行きたくても頻回にはいけません。。サッカーにたとえると、ホームとアウェイな感じです(実際に、我々は自分の診療科の病棟をホーム、特別病棟をアウェイと呼ぶことがあります。)
というわけで、よりよい診療を受けられるのは特別室か普通の病室か聞かれた場合には、即答で「普通の病室です」とお答えしています。
⑥特別室の豪華さ
この特別室、海外ではどんどん豪華になっているのに対して、日本では比較的質素であると言われています。国公立の大学病院ではさすがに豪華な造りにはできないと思いますが、私立の大学病院ではすさまじく豪華絢爛のようです。正直言って、国公立ゆえか、うちの病院の特別室は非常に質素で、これで1日数万円もふんだくるのか・・・といった感じです。
一方で、慶応大学病院では特別室の病棟が新設されたとか、他の私立大学病院でも豪華な病室が作られている凄いという話も聞きますので、もし豪華なお部屋が酔い方には私立の方がよいかもしれません。その代わり、差額ベッド代が天井知らずの様ですが・・・。実際、この高価な差額ベッド代が慢性的な赤字である大学病院の経営を少し支えてくれているんだそうで、そういう意味ではニーズにあった経営戦略なのかもしれませんね!。
最後になりますが、よく聞かれるので多くの方が少し気にしているであろうことにお答えしておきます。
国公立大学病院の特別室の看護師さんは、必ずしも若くありません(むしろ、ベテランが多い気も・・・)
そこだけは期待しないで下さい!(笑)
長くなりましたが、如何だったでしょうか。振り返ると、入院しないと実感できないものばかりでしたね!もし入院する機会があれば、よく観察してみてください!
大学病院の良いところのまとめです。
①お医者さんの数・看護師さんの質に秀でているため良い診療ができる
②高度な医療を受けることができる
③特別室が整備されているので、様々なニーズに答えることができる
(しかし特段の事情がない限りは、よく診て貰える普通の病室がお勧めです)
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