大学病院に受診した方が良い?
こんにちは。今回は引き続き大学病院の良いところのお話です。(これまでのお話はこちら:大学病院の良いところ・悪いところ①)。
大学病院の良いところ
③先進的な医療を受けることができる
やはり大学病院といえば「最新の医療」を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、その通りです!。最近では、ノーベル賞を受賞された本庶佑先生の開発した抗がん剤「オプジーボ」も非常に多く使われるようになっていますし、世界で最も高価な薬として先日報道された遺伝子医薬(小児科領域なのでよく知りませんが)、もう少し安い遺伝子医薬(それでも一回使うだけで約1000万円位するそうです。)なども使われています。このような先進的な治療を受けられるのは大学病院の大きな良いところだと思います。最近のトピックスについて、取り上げようと思います。
<新たな抗がん剤「オプジーボ」>
ノーベル賞が出ただけあって、これまでの抗がん剤とはまったく違う癌をやっつける仕組みをもっています。癌は免疫細胞の停止ボタンを勝手に押して免疫細胞の攻撃から逃れる仕組みを持っていることが分かり、この抗がん剤は停止スイッチを押させないという仕組みで、免疫細胞に癌を攻撃させるというコンセプトです。
もう少しシンプルに言うと、「免疫細胞のブレーキを外して免疫細胞を活性化して、癌をやっつける」というものです。発売当初は1年間に3000万円かかる超高額の薬として話題になり、国の医療財政を破綻させる可能性があるということですぐに1500万円に値下げされました。半額にしても利益がかなり出ているようなので、当初の値段はぼったくりでは・・・とも言われましたね(笑)。
ただこの薬、とっても良く効くんです!。僕の周りでも末期の肺癌・腎臓癌で余命数ヶ月といわれているような患者さんが治るような人も珍しくありません(もちろん効かない人もかなり多く、副作用も激烈なこともあるので、投与には専門家の意見が必要です)。
しかしながら、よく効くがゆえに投与されている人は倍以上に増えている気がします。従って、値段が半額になっても医療財政が大変なことになっていることに間違いはないと思います。こんな高価で副作用も激烈な薬は大学病院並みに大きな病院じゃなければ難しいことが多く、このような薬を安全に使用して治療することは大学病院の重要な使命なのかもしれません。
<新たな遺伝子医薬>
新たな抗がん剤に加え、次世代の治療薬として遺伝子の治療薬が少しずつ出てきています。とはいえ、先日承認された世界で最も高価な薬として有名になった薬は2億数千万円するそうです。それでなくても一回投与すると1000万円かかる遺伝子医薬が幅広く投与されるようになって来ています。
このような薬は安全性が確認されているものの、まだまだ効果が未知のこともあり、投与しながら回復の度合いなどをデータで残していく必要があります。効果は証明されているものの、まだまだ研究段階といってもいい感じなんです。それができるのはやはり大学病院が最適なのかもしれません。(やってるこっちは大変です!)。このように、効果でしっかりとしたフォローが必要な薬が出てくると、まず大学病院で使い始めることが多いので、その点においては大学に通院すると早めに恩恵にあずかれるかもしれませんね。
もう少しだけご紹介したいことがありますが、長くなってきたので次回に続きます!
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