大学病院の話

これは大変! 大学病院の無給医の話(3)

大学病院の無給医(お給料の無いお医者さん)

今回は前回に引き続きて、大学病院には病院からお給料の出ていない先生が病院を辞めずに、アルバイト生活費を送っている理由をお話をしていきたいと思います。(前前回の記事はこちら:これは大変! 大学病院の無給医の話(1)

 

お給料がでないのに働く理由は?

(4)医局の命令だから

はっきり言って、これが最大の理由だと思います。医局というのは任意の団体ではありますが、やはり大きな組織ゆえにそれなりの助け合いの精神も必要ですし、組織ゆえの上司からの命令に強い強制力があります。医局制度については一般の方々には馴染みがないと思うので、いつか説明の記事を書こうと思っていますが、簡単に説明すると、医局とは一つの会社のような感じで、教授が社長のような感じです。

 

 

いや、教授は〇〇組の組長、医局長は若頭、とも言われます(笑)。

 

 

 

従って、教授が「無給で働け」といった場合には、あまり拒否する人はいませんし、基本的には逆らう人はあまりいないように思います。。(逆らうと怖いですし・・・)。。まあ、理由(1)のように医局からアルバイトの斡旋があり、生活は保障してもらえてますしね。。。

 

最近は少なくなってきましたが、強権的な医局はまだ存在する様で、北の方の地方で働いている知り合いの先生がこんなことを経験したそうです。

 

教授     :「来年はあの僻地の病院に行ってくれ」

知り合いの先生:「地域に根ざした医療をやって生きたいので、もう少し今の病院(こっちも僻地)で働きたいです」

教授     :「あの僻地の病院に行ってもらわないと、来年働く病院はないよ」

知り合いの先生:「今の病院以外であれば、自分で就職先を探すつもりです」

教授     :「この県内・地方の病院は大学関連だ!。この地方で働けると思うなよ!!(怒)」

 

 

とっても強権的で怖いですね・・・。これは本当にあった話で、知り合いの先生は北から東海地方に移り住んで、今は平和で楽しく働いています。。

助け合いの組織でもありお世話になることも多いんですが、このように極道の世界のようなところもあるかもしれません(笑)

 

というわけで、医局の性質上、頼まれたら断りづらいということが、お給料がでなくても働かなければいけない大きな理由であることが多い気がします。

 

無給ではないけど、お給料が3万円のお医者さんも!?

 

これまで無給医についてお話してきましたが、無給でなくとも、すずめの涙ほどのお給料しか出ていない大学病院も少なからず存在します。無給ではないのでクローズアップされることが少ないのですが、特に私立大学病院を中心に多く存在していました。(現在は少しずつ改善されているようです)。

 

ある有名大学では、若いお医者さんの一ヶ月のお給料が3万円であるという時代もあり、生活費を稼ぐ為にアルバイトにせいを出さなければならず、若い先生がまともに勉強ができないということもありました。大学や医局がケチなのかというと、そんなことはないんです。

 

大学や医局の問題というよりも、現行の医療制度では大学病院が慢性的に赤字となってしまうというところが問題の本質で、赤字体質なのに大量のお医者さんを抱える必要があるという事情があるんです。従って、根本的な解決は難しく、制度の変革が待たれるところですが、医療制度、研修医制度が少しずつ改革され、この10-20年の間に非常に良くなってきていることは間違いないと思います。

 

お給料のないお医者さんについてみてきましたが、如何だったでしょうか。この記事を読んでいただいた皆さんはうすうす気づかれたかもしれませんが、一般的にお医者さんのお給料は高いとイメージされることが多いと思いますが、大学病院で長年働いていると、けっこう貧しい生活になることもありますので、みなさん気をつけてください!!

 

 

今回のシリーズのまとめです

①大学病院では約10%のお医者さんがお給料なしで働いている

②お給料が出なくても働く大きな理由は医局に関連している

③根本的な原因は医療制度にあり、すぐに改善することは難しい

 

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