大学病院に受診することがよいとは限らない?
それでは、前回からの続きです(前回の記事はこちら:大学病院の良いところ・悪いところ①)
大学病院の悪いところ
③専門分化され過ぎている
ご存知の通り、大学病院にはほぼ全ての診療科がそろっています。そして、診療科ごとに専門的な診療を行っているので、受診している診療科の病気については非常に良い診療を受けることができます。しかし、受診している診療科の専門外の病気が出現した場合にめんどくさい事になってきます。
例えば、患者さんが呼吸器内科科に通院している時、おなかが痛くなって消化器内科に診てもらいたくても、受診できないことも多いんです。自分が受診中の診療科の先生に予約を取ってもらうことは出来ますが、常に混んでるので1ヶ月くらい先になってしまうこともしばしばです。従って基本的には、「大学病院では自分の受診中の診療科しか診てもらえない」と考えると良いかもしれません。
一方、もう少し規模が小さいと、受診中の診療科以外の病気であっても気軽に診てもらえたり、診てもらうのにそこまで時間がかからないことが多いようです。また、近隣のクリニックの先生が良く勉強していらっしゃる先生だと、幅広く診てくれ、必要に応じて専門の先生に受診を指示してくれるので、やはり普段受診するのはかかりつけのクニックが良いかもしれません。
④入院できるまでの期間が長い(ベッドが空かない)
大学病院を紹介受診して更なる検査・治療が必要だとなった時、大学病院ではほとんどの場合、すぐには入院できません。なぜなら、「いつも満床」だからです。生命の危機に瀕している場合には数日間だけ何とかベッドを準備して、その後他の病院に転院してもらうこともあります。
僕も以前、外来での検査で診断がついて、あとは早めに入院して治療すればよくなるという患者さんがいたんですが、準緊急入院の手配をしてから2週間経ってもまったくベッドが空かず、患者さんは不安に駆られて毎日のように電話をしてくるようになってしまいました(その気持ちは良くわかります)。残念ながら、ベッドが空く気配が全く無く、早期に治療を開始したほうが患者さんの為になると判断して、近隣の知り合いの先生に電話して、入院させてもらお治療をしてもらいました。その患者さんはその後すっかり良くなって、お礼のお手紙も頂きました。やはり、大学病院以外でも治療できる病気は、はやく治療してくれる病院で見てもらうのがよいと思わせるできごとでした。
⑤早く退院することが求められる
④とも関連しますが、常に混んでいるので、なんとなく一通りの検査・治療が終了したら、早く退院して欲しいような雰囲気になります。ただ、病院に長く入院していると体が弱ってくるので、早期に退院すること自体は患者さんにとっては大きなメリットになると思います。しかし、病気が思うようにならなかったり、癌の末期で治療が難しくなり長期の入院が必要な場合には、場合によっては長期入院が可能な病院に転院をお願いされることもあります。
⑥何をするにも時間がかかる
大学病院に受診したことのある人は経験しているかもしれませんが、受診の受付、検査、待ち時間、お会計、などなど全てにおいてかなりの時間を要します。初めて大学病院を受診する日や検査がある日などは、一日仕事になってしまいます。。。
よく考えてみると、悪いところがたくさん出てきて、長くなってきてしまいました(汗)。良いところもたくさんあるんですが、お付き合い頂けると幸いです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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